ヒメトビウンカの動態について
ヒメトビウンカはイネ以外にもムギやイネ科雑草等様々なイネ科草種を餌として利用できます。したがって、イネが無くなるといなくなるトビイロウンカやセジロウンカと異なり、1年を通して日本中で生息できます。また、寒さにも強く北海道でも越冬可能です。下の図は関東地方の米麦二毛作地域におけるヒメトビウンカの発生消長および空間的動態の一例です。ヒメトビウンカはムギで増えやすいため、ムギが栽培される地域ではヒメトビウンカの発生量が多くなる傾向があります。
①3月上旬頃から越冬世代成虫が発生しムギに侵入・産卵します。ムギへの侵入・産卵のピークは4月上旬から中旬です。
②5月上旬から中旬になるとムギから幼虫が孵化しはじめ、6月上旬には成虫になって水田に侵入します。
③水田では3回から4回発生します。8月上旬頃の発生量が最も多くなります。
④イネの収穫とともに水田畦畔や道路法面などのイネ科雑草に移動し、産卵します。
⑤イネ科雑草で孵化した幼虫は、3齢や4齢幼虫まで成育し、幼虫で越冬します。