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水田内でのイネ縞葉枯病の発生の広がり方

日本国内のイネ縞葉枯病多発地域における本病の発生は、多くの場合以下のような経過をたどる1)

第1段階 苗を移植した後の水田にウイルスを保毒したヒメトビウンカ成虫が飛来し、水田内でのイネ縞葉枯病の感染が始まる。ウイルスを保毒したヒメトビウンカ成虫が水田に飛来する量は多くはないため、初めの感染は水田内にポツポツと点在して発生する。ムギ類圃場に近接した水田では、近接した部分(畦畔際など)で発生が集中することもある。水田に飛来する成虫による感染は、多くの地域で、イネの生育初期の感染となる。

第2段階 イネに産卵された卵から孵化した幼虫が初期の感染株から周辺の健全株にウイルス感染を広げる。水田内で孵化した幼虫の数は、最初に水田に飛来した成虫の数と較べて極端に多いため、水田内のウイルス感染は急激に広がる。水田内で発生した幼虫による感染は、多くの地域で、イネの生育中期の感染となる。

第3段階 イネは幼穂形成とともにイネ縞葉枯ウイルスに対する感受性が極端に低下する。そのため、幼穂形成期以降は、ウイルスを保毒したヒメトビウンカに加害されてもウイルスに感染しないか、感染しても無病徴感染となり外見上は病徴が見られない。したがって、幼穂形成期後のヒメトビウンカによる加害は、本田内の感染株数の増加にはほとんど寄与しない。

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1)
Shiba et al (2018) Field Crops Research 217:211-217
manual/spread.txt · 最終更新: 2018/01/11 (Thu) 10:20 by takuyas