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manual:noushoku:hyougo

兵庫県におけるイネ縞葉枯病発生の背景

兵庫県の稲・麦二毛作地域においては、収穫時期の遅い小麦(晩生:「ゆめちから」など)と移植時期の早い水稲(早生:「キヌヒカリ」など)の栽培時期が重なっており、越冬後のヒメトビウンカが小麦で十分増殖した後に稲へ移動できる好適な環境が整っている。このため、ヒメトビウンカとイネ縞葉枯病の多発生が助長されている。

産地の特徴に応じた総合防除の説明

稲・麦二毛作地域、特にイネ縞葉枯病の多発生地域における防除は、耕種的防除と化学的防除の両面から行う。耕種的防除では、冬期の早期耕起および畦畔除草を実施し、ヒメトビウンカ越冬世代密度を抑制する。また、化学的防除では、苗箱施用殺虫剤の播種時処理によって、移植直後の飛来虫による初期感染を抑制し、感染拡大を予防する。また、本田防除等の臨機的対策によってヒメトビウンカの多発生を予防し、イネ縞葉枯病の鎮静化をはかる。

現地実証試験の結果

1)箱施用殺虫剤の播種時処理の効果について

  • 苗箱施用殺虫剤「クロチアニジン(1.5%)粒剤」を用いて播種時処理と移植時処理の効果を検討した。その結果、ヒメトビウンカ個体数(図1)には処理方法による差は認められなかったものの、播種時処理では発病までに若干の遅れが認められた。

図1

  • 播種時処理では、移植前から有効成分のイネ体内濃度が高く維持される。このため、移植直後にヒメトビウンカが飛来する地域においては、移植時処理よりも高い効果が期待できる(図2)。

図2

  • 播種時処理は移植時処理と比較して、処理時の省力性や散布ムラが生じにくい点において優れている。防除効果も移植時処理と同等であることから、箱薬剤の利用においては播種時処理を積極的に推進してよいと考えられた。

2)冬期耕起の有効性、耕起時期とヒメトビウンカ密度について

  • 耕起によって、越冬幼虫の寄主植物となる稲の刈り株や再生稲(ひこばえ)、雑草(図3)が除去され、大幅に密度を低減できる(図4)。

図3図4

  • ヒメトビウンカ幼虫は稲収穫後も圃場内の刈り株や再生稲に留まっていることから、越冬世代幼虫の密度低減には、越冬幼虫が活動を活発化させる前(遅くても2月中)に耕起を行うことが効果的である。
  • 再生稲で発病株(図3)が見られる場合は、特に耕起を徹底する。

manual/noushoku/hyougo.txt · 最終更新: 2017/12/02 (Sat) 21:41 by okuda.***.****@*****.com