現在のイネ縞葉枯病の流行は、2005年頃から始まり、現在では水稲栽培面積の約9%で本病の発生が認められている。しかし、本病の発生は全国的なものではなく、特定の地域に集中して発生する特徴がある。例えば、2005年から2015年までの延べ発生面積の9割が13の県に集中して起こっている。
2005〜20015年におけるイネ縞葉枯病の発生面積の多い順から上位13都道府県を赤く示した。この地域で、日本の発生面積の約9割を占める。
イネ縞葉枯病の媒介虫であるヒメトビウンカは、水田に侵入する前は、雑草地や麦畑などで生息している。ムギ類はヒメトビウンカにとって極めて好適な餌資源となるため、ムギ類の栽培が多い地域ではヒメトビウンカが増殖しやすく、ムギ類栽培の少ない地域と比較してイネ縞葉枯病が多発する傾向がある。実際に、現在イネ縞葉枯病が問題となっている地域は、いずれもイネとムギ類とが混在して栽培される地域である。ただし、麦作の多い地域が必ずしも多発地域になるということはなく、本病のまん延のしやすさには、麦作の有無以外にも、周辺環境、栽培品種、作型、気象など様々な要因が関係していると考えられる。
九州地方や山口県での発生は、ウイルスを持ったヒメトビウンカが海外から飛来してくることも原因の一つとなっている。