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ws20191001

第1回合同ワークショップ

「地域の木材流通の川上と川下をつなぐシステム・イノベーション」

日時

10月1日(火) 10:00 〜 12:00

場所

東京大学農学生命科学研究科 中島ホール

主催・共催

  • 地域創生に資する森林資源・木材の需要拡大に向けた研究開発プラットフォーム
  • 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

後援

  • スマート林業研究開発プラットフォーム
  • 持続的な林業生産システム研究開発プラットフォーム
  • 林内人力作業支援機械研究開発プラットフォーム
  • 農林水産業のためのナノテクノロジーを用いた新素材開発・新用途開発プラットフォーム
  • 中層・大規模木造建築推進のための研究開発プラットフォーム
  • 木質外皮研究開発プラットフォーム
  • 木質バイオマス燃焼灰利用研究プラットフォーム
  • 優良な林業用種苗の生産・普及に関するプラットフォーム
  • 薬用系機能性樹木の栽培と利用のための研究開発プラットフォーム
  • きのこ類の生理・生態の科学的基盤とそれらを応用した技術研究開発プラットフォーム
  • 樹木類への生物被害に関する連携研究開発プラットフォーム

プログラム

開会挨拶 鮫島正浩統括プロデューサー、森谷克彦 林野庁研究指導課長

講演

 「川上における研究開発の状況と今後の連携に向けた課題」
   矢田豊 スマート林業研究開発プラットフォームプロデューサー

 「川下における研究開発の状況と今後の連携に向けた課題」
   平野陽子 中層・大規模木造建築推進のための研究開発プラットフォームプロデューサー

 「川中の状況と川上・川下連携に向けた課題」
   鈴木信哉 ノースジャパン素材流通協同組合理事長

パネル討論

 矢田豊氏、平野陽子氏、鈴木信哉氏(司会 鮫島正浩)

閉会挨拶
 酒井秀夫 持続的な林業生産システム研究開発プラットフォームプロデューサー

ワークショップ概要

開会挨拶

 鮫島正浩統括プロデューサーより、地創林木プラットフォームの立ち上げと、それに続く「プロデューサー活動支援事業」応募に関する経緯が説明された。その中で、木材産業等を活性化し、森林資源を循環的に利用することにより地域創生を図る。その際、個々の要素技術の開発に加えそれを統合するシステムの開発を行うことで流通経費の大幅削減を図り、そこで生み出された剰余を川上側に還元することが提案の趣旨であることが説明された。

 次に来賓挨拶として、森谷克彦林野庁研究指導課長より最近の情勢について説明があった。林野分野だけでなく、理学・工学等の様々な分野の研究者や企業の皆さんにも協力いただき、「どこでもドア」の様な、今までにないアイデアを募集していく。このためにも、いろいろな分野の方が集まってできたプラットフォームを基盤に、その輪をさらに広げ楽しい研究開発、創造的な社会の創生につなげていただきたい。

話題提供

「川上における研究開発の状況と今後の連携に向けた課題」

矢田豊スマート林業研究開発プラットフォームプロデューサー
「AI技術を活用した森林施業集約化のための効率的調査技術の開発」プロジェクト等では、石川県林業試験場、石川県森林組合連合会、金沢工業大学、ベンチャー企業が連携し、そのプラットフォームとして小松製作所の技術を使わせてもらっている。一方、他のプラットフォームとの連携については、東京大学の仁多見先生のプラットフォームと連携し、スマート林業構築促進事業の中でサプライ・チェーン・マネジメント・システムの開発に取り組んでいる。林業・木材産業データのマッチングについては、コマツのオープンIOTプラットフォームの仕組みが使えると考えている。
「知」の集積と活用の場に関しては、現在の3層構造は地域のベンチャーには敷居が高い。連携協議会に入らなくてもコンソーシアムに入れるような仕組みが欲しい。

「川下における研究開発の状況と今後の連携に向けた課題」

平野陽子「中層・大規模木造建築推進のための研究開発プラットフォーム」プロデューサー
木質材料の開発によって建築の構法・工法も変化していく。厚物合板が良い例であり、最近ではCLTがそれにあたる。大規模木造建築物を設計できる建築士のレベルが地域によって異なる。このため日本各地で大規模木造建築を建てるためには、国が主導して木造建築の構法・構法を作ることが有効である。その際、民間企業が個別に開発した構法・工法ではその後の発展性に欠ける。公的な機関が中心となりオープンな構法・工法を開発していくことが必要である。一方、様々な木質材料が開発されているが、その長所・短所を建築サイドで把握しきれなくなっている。民間任せにするのではなく、公的な機関がそれらを横並びで評価する規格を作ってくれるとありがたい。その他、教育システム・人材育成も重要である。

「川中の状況と川上・川下連携に向けた課題」

鈴木信哉 ノースジャパン素材流通協同組合理事長
住宅メーカーのニーズにあわせて製材工場等が動くので、川上もそれに対応していく必要がある。現在の製材工場等は加工速度が非常に高い。このため、製材工場等を運転するためには、毎日大量の木材を搬入する必要がある。一方、一社に依存した体制だとリス管理ができない。このため、多数の素材生産業者と複数の製材工場等を結びつけるアメーバ型の組織をノースジャパンは採用している。また、配送料、手数料、椪積料を節約するため、木材は市場を通さず山元から工場へ直送する。木材の輸送については、近年のトラック運転手不足に対応するため、トラック運転手が都合の良い時間に配達することができる無人受入システムの導入を薦めている。なお、川上と川中・川下をつなぐアメーバ型組織の運営については、公平性の担保が重要である。

閉会挨拶

酒井秀夫 持続的な林業生産システム研究開発プラットフォームプロデューサー
川上・川中・川下でまだまだ情報共有ができていないため、川下から川上へのお金がどこかに染みこんでいる。現在は、大手自動車メーカーが連携している時代であり、我々も積極的な連携が不可欠である。

ws20191001.txt · 最終更新: 2019/11/06 (Wed) 17:55 by momohara

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