11月18-19日(月・火)
中国木材株式会社日向工場、住友林業株式会社東郷苗畑事務所
11月18日
製材モデル工場見学会(11月18日)
中国木材株式会社 日向工場
11月19日
ワークショップ
開会挨拶 鮫島正浩統括プロデューサー
講演
「これからの製材のモデル工場」
松岡秀尚 中国木材株式会社 管理部部長
「SDGs森林産業を目指して」
有山隆史 宮崎県 山村・木材振興課 みやざきスギ活用推進室室長
「本格的再造林時代に向けた施設栽培型の苗木生産」
兼光修平 住友林業株式会社 資源環境事業本部 山林部
総合討論
閉会挨拶
施設栽培型苗木生産見学会(11月19日) 住友林業株式会社 東郷樹木育苗センター
マッチング・ツアーの現地見学会に選定した中国木材日向工場は、日本を代表する製材・集成材工場であり、特に現在需要拡大が求められているスギ材を宮崎県等から大量に集め、住宅用部材として生産・販売しているところに特徴がある。第1日目の見学会及びワークショップにより、地域材の需要拡大における大規模集成材工場の機能について、川上と川下をつなぐ川中としての大きな木材のストックヤードになりうることや川下への木材の大規模供給を行うことが川上での素材生産量と素材価格の安定化に貢献できることが理解できた。一方、川中での集成材ラミナ生産において収益を上げるためには、未利用材および工場残材を利用した木質バイオマス発電や製材施設の屋根で行う太陽光発電をFIT制度に基づく売電事業と組み合わせることが有効であることが情報共通された。さらに、一般に外国産材よりも強度が低いスギ材を使うためには行政や住宅メーカーとの連携が必要であること等、ビジネスモデルを作成する上での貴重な示唆を得た。
また、マッチング・ツアーの第2日目では、住友林業(株)の東郷樹木育苗センターを訪問し、今後の本格的再造林時代を迎え不足することが予想される苗木を安定供給するため、現場での作業性と活着性が優れたコンテナ苗木を加温した施設内で効率的に生産するシステムを見学した。さらに、今後の苗木の需要と供給の関係やその解消に向けた取組等について情報提供いただいた。
さらに、みやざきスギ活用推進室の有山隆史氏からは、宮崎県の地域材生産の現況とこれまでの行政としての取組にについて、特に合法伐採や急速に拡大する木材輸出への対応等の話題、一方、今後宮崎県以外でも問題となることが予想される盗伐を防止に係る取組についてもご紹介いただいた。
マッチング・ツアーのテーマが示すように、今回の講演及び見学場所はいずれも日本のトップを走っている内容であり、貴重な情報の共有化が図られ、また質疑応答や総合討論では多くの質問や意見交換が行われた。