大量な情報が飛び交う中で、AI に対して様々な定義がなされています。研究分野が異なれば、AI に対する着目点も異なります。そのため、「AI とは何か」という問いに対して、様々な答えが存在します。どれが正しくて、どれが間違っているという判断を下すことができません。我々は、自分が納得できる答えを、我々自身の知識と経験に基づいて、少しずつ見つけていく必要があります。本予備コース「人工知能基礎」では、「AI とは何か」を考えるきっかけとなる資料を紹介していきます。
Artificial intelligence (AI) が初めて使われていたのは 1956 年でした。そのときから今日までおよそ 70 年間という時間の流れの中で、AI 技術は期待されては冷遇されたりしてきました。そして、冷遇される度に、AI 技術や AI を支えているハードウェア技術が発展してきました。昔は、人間があらかじめルールを決め、それを AI に教える必要がありました。例えば、何か数学問題を解きたいとき、あらかじめ人間が解の公式を導き、その公式をプログラミング言語で記述してコンピュータ(AI)に与えて、類似問題を解かせていました。 これに対して、今日では、データを用意して AI に与えるだけで、AI は自らデータからルールを学ぶことができるようになりました。つまり、問題集(問題と解答)を用意するだけで、AI は自ら解の公式を導き出せるようになりました。今日の AI 技術は、過去 70 年間において様々な研究者たちが不断な努力によって築き上げてきました。今日の AI に対する理解を深めるためには、これまでの歴史も少し知っておく必要があります。AI の歴史を知る上で参考となる情報を以下に示しました。
今日の AI は、画像解析から自然言語処理まで様々な分野で応用されています。画像解析の分野では、内視鏡動画からポリープをリアルタイムの検出に使われたり、作物写真から病虫害の種類を判定する際に使われたり、農業トラックの自動運転制御に使われたりしています。また、自然言語処理の分野では、音声処理や翻訳などに使われたりしています。十数年前までは高価であるにもかかわらず精度がイマイチであった翻訳ソフトウェアは、AI 技術の恩恵を受けて現在では誰でも無料で使えるようになりました。この他にも、AI 技術は様々なところで活躍されています。次の示したドキュメンタリ番組や AI 入門資料が、世の中で使われている AI 技術を知る上で役に立ちます。
様々な場面で活用されている AI ですが、その核心をなすのが機械学習です。機械学習は、文字通りで、機械が自らデータの中から有益な情報を学ぶことを意味します。データから有益情報を抽出するには、道具として数学や統計が欠かせません。また、数学や統計で記述したプロセスを機械で実現させるためには、プログラミング言語も欠かせません。このように、AI あるいは機械学習を学ぶにあたって、前提として数学、統計、プログラミング言語をすでに知っておく必要があります。これら内容に関して、復習されたい方は、続けて、本予備コースの数学基礎、統計基礎およびプログラミング言語基礎を参考にしてください。