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機械除草技術を中心とした水稲有機栽培技術マニュアル Ver.2021 (最終更新日=2021年7月)
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チェーン除草機を利用した有機栽培体系の現地実証事例 ==== 1.実証試験地の概要 ==== <実証試験地> 新潟県上越市\\ <試験年次> 2014-2015年度\\ <ほ場面積> 6a(不定形棚田天水田)\\ <導入した除草機械> 人力牽引型チェーン除草機(新潟県農業総合研究所開発の軽量タイプ)\\ {{ :図C-1.jpg?290|}} 実証試験協力農家のU氏は、2011年に農業を継ぎ、両親と共に中山間地の不定形棚田天水田60aで兼業水稲作を営んでいます。棚田維持と田水確保のためほぼ通年湛水されていること、稲穂は稲架掛けされ、稲わらは原則持出されることが特徴です。有機栽培には17aで取組んでおり (図C-1)、雑草対策には小回りの利く人力牽引型チェーン除草機を使用しています。自家採種の従来コシヒカリを作付しており、2015年度は無施肥での栽培を試みています。\\ \\ \\ \\ ==== 2.圃場の栽培管理と水稲の生育・収量 (2014年・2015年) ==== 2014年度の圃場条件と栽培状況を以下に示します。2015年度もほぼ同様の栽培暦ですが、土づくりも含めて無施肥であることと移植2日前に代かきを行っている点が異なります。また有機栽培田に隣接する対照化学栽培田の栽培暦は、地域の慣行に従っています。\\ (1) 土壌条件: 細粒グライ台地土、pH: 5.4、全炭素: 13.0g kg<sup>-1</sup>, 全窒素: 1.5g kg<sup>-1</sup>, \\ Bray2リン酸: 0.29g kg<sup>-1</sup>, 酸化鉄: 10.1g kg<sup>-1</sup>\\ (2) 埋土種子量: コナギ, オモダカ, ホタルイ, ヒエ: 33, 1, <0.5, 1 千粒 m<sup>-2</sup>\\ (3) 肥培管理: 基肥: 市販有機質肥料「バイオノ有機s」を 3gN m<sup>-2</sup> (5/18)、追肥: なし\\ その他: 秋耕時に発酵鶏糞、米ぬか、くず大豆を100, 3, 7g m<sup>-2</sup>\\ (4) 水管理: 秋耕時から原則常時湛水 (最高水深9cm)、幼穂伸長期に一時的落水\\ (5) 栽培状況: 播種: 4/10、移植: 5/16 (中苗)、耕起: 10/22、荒代: なし、植代: なし、\\ チェーン除草: 4回往復 (5/26, 5/31, 6/5, 6/13)、出穂: 8/3、収穫: 9/17\\ (6) 雑草状況: 2014年度はイトミミズの活動が活発で、雪解け後の雑草発生は少なく、春の代かき作業も不要でしたが、2015年度はイトミミズが少なく、雑草発生も多かったため、春の代かき作業が必要になりました。その影響は水稲移植後にも及び、2015年度の幼穂伸長期 (7/下) におけるコナギを中心とする雑草発生本数は、2014年度の5倍に達しました (図C-2, 3)。一方、2015年度の個々の雑草の大きさは2014年度よりも小さく、雑草の密生や養分環境の影響と考えられます。 {{ :図C-2.jpg?660 |}} {{ :図C-3.jpg?580 |}} 水稲移植後、チェーン除草を4往復実施 (10a当り5時間) することにより、両年とも幼穂伸長期の雑草残草量は50g m<sup>-2</sup> 以下となり、十分な効果を発揮しました (図C-2)。ただし長期間の湛水の影響もあり作土が軟弱なため、移植直後は苗がチェーンに押し倒されやすく、倒れた苗を引き起こす作業が必要となるなど、除草作業全体では9時間を要しました。\\ (7) 水稲生育: 2014年度の初期生育は良好であり、7月上旬に最高茎数356本 m<sup>-2</sup>に達し、登熟期の穂数も318本 m<sup>-2</sup>を維持しました (表C-4)。対照的に2015年度は生育が悪く、7月下旬に最高茎数223本m<sup>-2</sup>、穂数も216本 m<sup>-2</sup>に留まりました。雑草は十分低減されたにも関わらず水稲生育が不良となった理由は、無施肥条件による養分欠乏と推定されます。\\ 2014年度の収量は化学栽培田と同等でしたが、無肥料栽培とした2015年度は化学栽培田の40%減、という厳しい結果となりました (表C-4)。品質については有機栽培と化学栽培では顕著な差異はありませんが、無施肥条件ではタンパク含量の低下傾向が窺えます (表C-5)。 {{:表C-4.jpg?650|}} {{:表C-5.jpg?560|}} \\ \\ ==== 3.生産費・労働時間等 ==== 生産費の農機具費の内、除草機導入による経費割増は3,000円程度であり、小規模な有機栽培の取組で問題となりやすい除草機導入に伴う過剰投資を避けることができました (表C-6)。水田環境の制約などのために除草時間が9時間と長くなりましたが、それを加味しても生産費の合計は対照水田に較べて1割程度の割増に留めることができました。2014年度では、収量も対照水田と同等のため、精玄米60kg当たりの生産費も1割程度の割増に留まりました。一方、2015年度は無施肥栽培であることから生産費はさらに低下したものの、全刈収量で300g m<sup>-2</sup>に満たず、精玄米60kg当たりの生産費も7割増となりました。 農家の栽培方法への考え方や生産費への意識の持ち方は様々であるため、単一の結論に集約することはできませんが、人力牽引型チェーン除草機は導入に伴う財政的負担が小さく、除草機によって十分な除草効果を期待できること、また、作物を育てる基本的な養分管理が伴っていれば十分な収量を挙げることも可能といえます。 {{ :表C-6.jpg?600 |}} \\ \\ ==== 4.生産者の評価と今後の課題 ==== 協力農家のU氏は、水田環境の制約から多くの困難を抱えてはいるものの、様々な生きものを生かしながら稲作を続けていきたいとする意向をお持ちです。地理的にも経済的にも大きな機械投資は容易でないため、安価で簡便なチェーン除草機は不可欠な道具として評価しています。今後は身近な有機物を用いて有機質肥料の自給を考えている様子であり、堆肥作りや水田の湧き防止方法などを課題として挙げています。\\ \\ ==== <試験に使用した資材など> ==== 栽培に直接関係する資機材は本文に記載した限りですが、間接的な資機材として全水田で電気柵を利用しています。
genchi/n1.txt
· 最終更新: 2016/03/11 (Fri) 11:51 by
juten
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