埼玉県では、1980年代以降、抵抗性品種の普及とともに縞葉枯病の発生面積は急減したものの、防除体系等の変化も影響して2010年頃より増加に転じ、近年はコシヒカリやキヌヒカリを中心に2,000~4,000haで発生している。現在は積極的に縞葉枯病抵抗性品種の育成・普及をはかっており、「彩のかがやき」および「彩のきずな」の作付面積は県内水稲栽培面積の約40%に達している。
埼玉県では、縞葉枯病抵抗性品種と、コシヒカリなどの感受性品種が混在して作付けられる状況にあり、感受性品種において本病が発生している。また、抵抗性品種・感受性品種双方でヒメトビウンカにより媒介される別のウイルス病である黒すじ萎縮病が発生している。そこで、現在は、抵抗性品種・感受性品種双方で箱施用薬剤と本田での薬剤散布を組み合わせた体系防除指導を行い、これら病害の鎮静化を図っている。
イネ縞葉枯病抵抗性品種はヒメトビウンカの発生量を減らす効果はないため、薬剤防除を行わない場合はヒメトビウンカが多発しやすい。周辺に感受性品種が作付けられている場合や、黒すじ萎縮病の発生が見られる地域では、抵抗性品種栽培においても薬剤を利用したヒメトビウンカの防除が必要であると考えられた。