====== V.診断・発生予察について ======
==== 1.どのような地域で発生が多いか? ====
現在のイネ縞葉枯病の多発地域に共通する特徴として、__大規模な麦作__が行われていることが挙げられる。ムギ類はヒメトビウンカにとって極めて好適な餌資源であり、ムギ類の栽培が多い地域では媒介虫が増えやすいことが原因であると考えられる。しかし、米麦作地域において本病が必ず多発するということはなく、__本病の多発生には、イネ品種、移植時期、作型、周辺環境、気象など、様々な要因が関与していると考えられる__。
==== 2.ヒメトビウンカの飛来時期を予測できるか? ====
水田に飛来する前のヒメトビウンカはムギ類や雑草地等で生息しており、成虫になるとすぐに水田に飛来する。そのため、__ムギ類等における成虫の発生時期と水田への飛来時期はほぼ一致する__。__水田に飛来する成虫の発生時期は、有効積算温度を計算することで高い精度で予測できる__((平江雅宏・柴卓也(2016)植物防疫70: 79-83))((平江雅宏・柴卓也(2015)関東東山病害虫研究会報62:110-115))。一方、九州地方や山口県、島根県には海外からヒメトビウンカが飛来することがある。海外からのヒメトビウンカの飛来については、海外飛来性害虫 飛来予測システムによって高い精度で予測できる。\\
[[http://web1.jppn.ne.jp/sekisan/search/|有効積算温度計算シミュレーション(JPP-net)登録が必要(有料)]]\\
[[https://www.jppn.ne.jp/jpp/hiraiyosoku/index.html|海外飛来性害虫 飛来予測システム(JPP-Net)]]
==== 3.保毒虫の簡単な識別法は? ====
ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫検定には__簡易ELISA法__((杉山恵乃・柴卓也・奥田充・平江雅宏・大藤泰雄 (2014) 日本応用動物昆虫学会誌 58: 356-359.))が利用できる。この方法は、病害虫防除所等で古くから利用されているラテックス法と比較して、迅速、簡便、明瞭、かつ、低コストである。簡易ELISA法は、3時間で100〜200検体の保毒虫検定を1人で実施可能であり、現在は多くの検査機関で採用されている。\\
具体的な手順
[[https://ml-wiki.sys.affrc.go.jp/rsv_web/rsv/elisa|イネ縞葉枯病ウイルスの簡易保毒虫検定法]]
==== 4.イネ縞葉枯病の同定はどのようにするか? ====
保毒虫検定と同様に簡易ELISA法による方法が利用できる。また、RT-PCR法やRT-LAMP法でも確定診断が可能である。\\
具体的な手順
[[https://ml-wiki.sys.affrc.go.jp/rsv_web/manual/rsv_elisa|イネ縞葉枯病ウイルスの簡易保毒虫検定法]]
==== 5.イネ縞葉枯病の同定のためのポジティブコントロール(陽性対照)はどこから入手できるか? ====
農研機構植物防疫研究部門で随時配布を行っている。当機構の研究試料取扱規程に基づき、試料提供申し込みを申請して頂く必要がある。公的機関には無償で提供する。
申し込み先:農研機構植物防疫研究部門(担当:髙篠)\\
https://www.naro.go.jp/inquiry/index.html からお問い合わせください。\\