摂食は水温15〜35°Cのときに行い、14°C以下では活動を停止し休眠(越冬)します1)。ほ場や用排水路の土の中に潜って越冬しますが、約8割が地表から深さ6cm以内の場所にいます2)。越冬成功率は貝の大きさによって異なります。殻高1cm~2cm程度の未成熟貝は越冬率が高く、殻高1cm未満の貝は低温と乾燥に弱いこと、殻高3cm以上の貝は土にうまく潜ることができないことから越冬率が低くなります3)。寒さに弱く、越冬成功率は九州でも5〜10%で4)、2023年時点では茨城県より北では越冬できないと考えられます5)。秋になって気温が低下し水田が乾燥すると貝は体内にグリセロールを蓄積して耐寒性を高めることが知られています6)。収穫後の水田の表面に稲わらが残っていると、温床効果で越冬率が高まる可能性があり注意が必要です。春になって水田に水が張られ、水温が15〜17℃になると活動を開始します。
水路で越冬中の貝(左)と越冬できずに死んだ貝(右)