浅水管理:水深を4cm以下に維持して摂食行動を抑制する
≪防除のポイント≫
スクミリンゴガイは水中にいないと摂食できず、また水深が浅いと活動が制限されるため、水深を4cm以下に維持することで被害を軽減できます
1)
。耕種的防除法として最も効果が高い方法です。
浅水管理は、水稲が食害を受けにくくなる5葉期(移植後3週間程度)まで行います。
凹凸があるほ場では、田面の深いところに貝が集まり集中的に食害が生じます。冬期のレーザーレベラーの利用や田植え前の代かきを丁寧に行うなどし、ほ場の傾斜や凹凸をなくすことで、浅水管理の効果がより高くなります。
レーザーレベラーで凹凸をなくしたほ場
浅水管理:凹凸の少ないほ場は浅水管理の効果が高い
≪留意事項≫
水位が極端に低下すると水稲の活着・初期生育への影響が生じる可能性があるほか、除草剤を処理した場合に効きが悪くなり、雑草の問題が生じる可能性があります。逆に、降雨により水位が上昇すると貝による食害が助長されます
2)
。適切な水位が維持できるよう水管理をこまめに行ってください。
浅水管理が困難な場合は、薬剤散布との組合わせにより被害を防止します。ほ場内全面に均一に薬剤散布することが理想的ですが、水深が深く貝が集まりやすい場所に重点的に薬剤を散布するなど、臨機応変な対応も可能です。
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小澤朗人(1988) 関東東山病害虫研究会年報 35: 221-222.