=====冬期の耕うん:厳寒期前のロータリー耕うんにより貝を物理的に破壊するとともに寒風にさらす===== ≪防除のポイント≫ -破砕効果を高めるために、土壌水分が少なく田面が硬いときに耕うんします((高橋仁康ら(2002) 農業機械学会誌 64(6): 76-81.))。効果を高めるには、トラクターの走行速度を遅く、PTO回転を速く(ロータリーの回転を速く)し、土壌を細かく砕くように耕うんします。 -黒ボク水田土壌の場合、貝は大部分が土中深さ6cm未満で越冬するため、耕うん深度は6cm 程度の浅起こしでも高い効果が得られます((高橋仁康ら(2002) 農業機械学会誌 64(6): 76-81.))。なお、土壌の性質により、適切な耕うん深度は異なり、深く耕うんすると地表表面にいる生貝をかえって地中に埋め込んでしまい、防除効果が低下する可能性もある((山下泉(1993) 四国植物防疫研究 28: 71-77.))ことから、貝が越冬する深さを事前に確認することが望ましいです。 -食害能力の高い大型の貝ほど破砕されやすく、平均殻高20mmでは一度の耕うんで約7割の貝を破砕できます((和田節ら(2004) 九州病害虫研究会報 50: 23-28.))。 -厳寒期(1~2月)に実施することで、土中にいる貝を掘り起こし、寒風にさらすことで殺貝効果を高めることが可能です。 {{冬期耕うん.jpg?nolink&400|}}\\ 冬期の耕うんの様子\\ {{耕うんで掘り出された越冬個体.jpg?nolink&400|}}\\ 耕うんで掘り出された越冬個体 ≪留意事項≫ -トラクターを移動させる際は、貝を別のほ場に持ち込むのを防ぐために、爪やアタッチメントもよく洗浄してください。 -小さい貝は破砕が困難です。必要に応じて移植以降の対策(浅水管理、農薬散布など)も実施してください。 [[:start|目次に戻る]]