この章では有機栽培で利用される雑草の抑制技術のうち耕種的抑草技術の特徴と利用方法を説明します。各技術の特徴を知った上で、現地の状況にあわせて各技術をうまく組み合わせ、効率的な雑草防除を行ってください。
クログワイやオモダカなどの多年生水田雑草に対しては、上記のいずれの耕種的抑草技術もあまり高い効果を示しません。クログワイやオモダカがある場合は、水稲刈り取り後の出来るだけ早い時期に耕起を行うことで、土中の塊茎量を減らすことができます。クログワイの塊茎は乾燥で死滅するため、暗渠などによる乾田化や、耕起によって土中の塊茎を表面に出して乾燥させることが塊茎の死滅に有効となります。オモダカは塊茎の寿命が1~2年と短いため、大豆などとの輪作の効果も期待できます。塊茎から出芽する多年生雑草については、耕種的抑草技術の中に除草剤並の高い防除効果をもつものが有りませんので、その防除には作期中にこまめに手取りに入るなどの作業が重要となります。